Market Profile(TPO)入門|相場の時間と価格の重心を捉える

🧩 Market Profile（TPO: Time Price Opportunity）とは

「同じ価格でも、どの時間帯で滞留したかで市場心理が変わる」 そんな視点を持つと、トレード判断の精度向上が期待できます。

これが マーケットプロファイル(Market Profile) です。

💡 TPO とは: 「価格 × 時間の重み付けで市場心理を可視化する」手法
単純な ローソク足 では見えない、値動きの中心や価値あるゾーンを把握できます。

🧩 Market Profile（TPO）の歴史・発案者

発案者：ピーター・スタイドルマイヤー（Peter Steidlmayer）

Market Profile は 1970 年代後半、CME（シカゴ・マーカンタイル取引所）のトレーダー、スタイドルマイヤーによって開発されました。

• 目的：日中の値動きで、どの価格帯に注文が集中しているかを把握する
• 背景：当時は先物市場での値動き分析が困難で、単純なチャートでは市場心理を掴めなかった
• 成果：TPO で「Value Area」「POC（Point of Control）」などの概念が生まれ、市場の重心を可視化可能に

その後の発展

• 先物市場だけでなく株式や FX にも応用可能
• TradingView などのチャートツールで個人トレーダーも活用できる
• POC やバリューレンジを戦略の土台として利用するトレーダーが増加

🧩 Market Profile（TPO）とは？｜価格 × 時間の重心を捉える

• TPO（Time Price Opportunity）：価格がどの時間帯に滞在したかを記録

• POC（Point of Control）：最も長く滞留した価格帯＝市場の重心

• Value Area（バリューエリア）：取引の約 70％が集中した価格帯

• 30 分足がベース：1 セッションを 30 分単位に分けて記録するのが一般的

• TPO の文字表示：各 30 分単位の時間帯にアルファベットを割り当てます。

  例：A = 9:30〜10:00, B = 10:00〜10:30 … これにより、どの時間帯に価格が滞在したかを視覚的に把握可能です。

TPO のポイント

• 長時間滞在した価格帯＝市場参加者が納得している価格
• 価格が Value Area 外に出る＝市場のバランスが崩れたサイン
• POC やバリューレンジのブレイクはトレンド・逆張りの判断材料に

複合プロファイル（Multiple Day Profile）

複数日分の TPO を重ねて表示することで、中期的なバリューゾーンやトレンドの変化を把握できます。

💡 例：1 日ごとのプロファイルに加え、1 週間ごとのプロファイルを重ねて表示する方法など

🧩 基本的な Market Profile チャートの見方

TPO チャート は ローソク足 よりも「時間の重み」を意識して分析するのが特徴です。

💡 Value Area の算出:
Value Area（VA）は、 標準偏差 をベースに算出されますが、ざっくり全 TPO の約 70％(正確には約 68.27%)が含まれる範囲として考えると分かりやすいです

プロファイル形状の分類（P 形、b 形、D 形、Trend Day など）

• P 型：レンジ中心で滞留が偏る → バランス相場
• b 型：下側に分布が偏る → 売り優勢の蓄積
• D 型：均等な分布 → 完全バランス相場
• Trend Day：一方向に偏る → トレンド日

🧩 TPO 活用戦略｜順張り・逆張りの判断例

⚠️ 注意点 ブレイクやタッチ直後は False Break（ダマシ）も多いため、TPO だけで判断せず、 出来高 や他指標と併用するのが安全です。

🧩 VA × OR の組み合わせで強弱を判断した応用例

💡 バリューエリア（VA）とは？

バリューエリアは、全取引の約 70％が行われた価格帯を指します。 つまり、マーケットが「公平」とみなした価格ゾーン。 トレーダーはこの範囲を基準に、

• 上抜け → 買い優勢
• 下抜け → 売り優勢

と判断します。

特に、前日 VA を上抜け（または下抜け）して始まった場合は要注目。
前日のバランスを崩した＝相場が次のフェーズへ移行するシグナルになりやすいです。

📈 オープンレンジ（OR）の設定と組み合わせ

当日の立ち上がり判断には、オープンレンジ（OR） を使います。
これは 寄り付き 後、最初の一定時間（例：9:00〜9:30）の高値・安値で形成される短期レンジで、 そのブレイク方向で当日中のトレンド判断を行います。

OR の活用パターンの詳細は 👉 こちらの記事でも詳しく解説しています。

💡 つまり、「前日 VA ブレイク」＝環境判断（前日ベース）「当日 OR ブレイク」＝当日判断（短期トレンド） この 2 つを組み合わせることで、「前日の流れ」と「当日の勢い」を同時に捉えられます。

🧩 TradingView で TPO 利用するポイント

Market Profile は 歴史的背景と市場心理を理解した上で、30 分足をベースに戦略化するのが一般的です。

公式 TPO インジケータ

TradingView には Market Profile（TPO）用の公式インジケータがありますが、Premium 以上のプラン限定です。

TradingView のコミュニティスクリプト

TradingView のコミュニティでは、ユーザーが作成・投稿した インジケーター やツールを利用できます。 公式 インジケーター だけでなく、こうしたスクリプトを活用することで、TPO や VPVR の確認も可能です。

💡 独自コードによる再現は現在準備中です

💡 コードや戦略はあくまで学習用のサンプルです。 実際の利益や成果を保証するものではありません。
必ず バックテスト などで検証の上、ご自身の判断・責任で戦略に取り組んでください。 👉️ バックテストで戦略評価・戦略設計

🧩 まとめ

• Market Profile は 「時間 × 価格で市場心理を可視化」する画期的手法
• 発案者スタイドルマイヤーは 1970 年代 CME で、滞留時間を分析することで市場重心を可視化
• POC・Value Area・ブレイク判断で順張り・逆張り戦略を構築可能
• 30 分足をベースに、分足や他指標と組み合わせると精度アップ

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