🧩 出来高(Volume)で相場の勢いと転換点を読み取る方法
株価
チャート
を見るとき、
ローソク足
や移動平均を見てトレードする人は多いですが、
出来高
(Volume)を見るだけで「相場の勢い」や「転換の可能性」を早く察知できるようになります。
出来高
を見れば、誰がどれくらい市場に参加しているか、どこで力が加わっているかが一目で分かるため、相場の本当の勢いや転換点を読み取るための強力な手がかりになります。
✅️ 機関投資家や大口投資家は、
チャート
のラインや値動きを意図的に操作することがあります。
出来高
についても同様で、大口は分割注文などで目立たせませんが、急増のタイミングに注目すると、相場分析の精度を高めることができます。
この記事では、
出来高
を使って相場を読む基本概念と、
**「OB(オーダーブロック)」「テール」「クライマックス」**といった応用的な視点を紹介します。
👥 この記事は誰向け?
- 株・先物・FX のチャートを見ている初心者〜中級者
- ローソク足だけでなく、出来高から相場の勢いや転換点を読みたい人
- 押し目・戻り目の判断精度を上げたい、または短期トレードで優位性を持ちたい人
📖 この記事でわかること
- 出来高(Volume)の基本的な意味と見方
- OB(オーダーブロック)とは何か、相場でどう活用するか
- テール(上ヒゲ・下ヒゲ)の意味と出来高との組み合わせ方
- クライマックス(売買集中局面)の捉え方と転換の兆候
- TradingView での実践的な出来高分析の方法
📺 この記事の概要は、下記の動画でもわかりやすく解説しています!
💡 現在チャンネルはリニューアル中です。近日、新しい動画・キャラクターで公開予定!
🧩 OB(オーダーブロック)の見方|大口投資家の価格帯を特定する
OB = 大口投資家が注文を溜めた価格帯
- 大口投資家は市場を操作するわけではなく、自分の買い・売りを効率的に消化するための注文をまとめる
- OB 付近では小口の値動きが抑えられやすく、価格が反発しやすいことがある
※ ICT(Inner Circle Trader)概念の OB
確認ポイント:
- 出来高が急増し、ローソク足が狭いレンジで固まっている箇所
- 高値圏・安値圏で OB を確認できると、反転の目安になる
✅️ ここには Iceberg(アイスバーグオーダー)などのアルゴリズム発注が隠れている可能性がある
アイスバーグオーダー:大口が注文を分割して市場に出す手法で、表面上の
出来高
だけでは全体量が分からない
🧩 テール(ヒゲ)の意味と出来高の組み合わせ方
テール =
ローソク足
の上ヒゲ・下ヒゲ
- 上ヒゲが長い → 売り圧力が強い
- 下ヒゲが長い → 買い圧力が強い
✅️
出来高
と組み合わせると、大口投資家の意図や勢いの方向性を予測しやすい。
主に 大口が市場を押す・支える動き が反映される
例:
- 上昇トレンド中に上ヒゲ+出来高急増 → 一時的な利益確定の兆候
- 下落トレンド中に下ヒゲ+出来高急増 → 底打ちのサインになりやすい
🧩 クライマックス(売買集中局面)で相場が反転する理由
クライマックス(売買集中局面)では、短い時間に買い・売りが極端に偏ります。
この状態では、相場の勢いを作っていた側の参加者が「もうこれ以上ポジションを取れない」ほど出尽くしていることが多く、いわば燃料切れの状態です。
- 上昇クライマックス → 買いの勢いが限界に達し、利益確定が入りやすい
- 下落クライマックス → 売りの勢いが限界に達し、投げ売りが止まりやすい
つまり、クライマックスは「勢いの終点」を示すサインです。
この局面を
出来高
で確認できると、押し目・戻り目や転換点を精度高く捉えることができます。
特徴:
- ローソク足の実体が大きく、長いヒゲが出やすい
- 出来高が平均より数倍〜十倍になることもある
- クライマックスを捉えると、押し目や戻り目の判断に役立つ
💡 セリングクライマックスの例:(日経平均・コロナショック)
2020 年 3 月 19 日:
- 出来高:約 3.2 兆円(平時比約 3 倍)
- 下ヒゲ:実体の 2.2 倍
- 翌日:+678 円(+4.11%) → V 字回復の起点
🧩 TradingView を使った出来高分析の手順とチャート例
【Pine Script】 Volume Analysis: OB/Tail/Climax(出来高分析: OB/テール/クライマックス)
//@version=6
indicator("Volume Analysis: OB/Tail/Climax", overlay=false)
// ---------------------------
// パラメータ
// ---------------------------
volMultiplier = input.float(2.0, "出来高急増の倍率")
tailRatio = input.float(0.5, "ヒゲ長さ判定比率")
obRangeBars = input.int(3, "OB判定ローソク足本数")
climaxBodyRatio = input.float(5, "クライマックス実体倍率")
// ---------------------------
// 出来高平均
// ---------------------------
volMA = ta.sma(volume, 20)
// ---------------------------
// チャート補助
// ---------------------------
plot(volume, title="出来高", color=color.gray, style=plot.style_columns)
plot(volMA, "出来高20MA", color=color.blue, linewidth=1, style=plot.style_line)
// ---------------------------
// テール判定
// ---------------------------
upperTail = high - math.max(open, close)
lowerTail = math.min(open, close) - low
body = math.abs(close - open)
isUpperTail = upperTail > body * tailRatio and volume > volMA * volMultiplier
isLowerTail = lowerTail > body * tailRatio and volume > volMA * volMultiplier
plotshape(isUpperTail, title="上ヒゲテール", location=location.abovebar, color=color.red, style=shape.triangledown, size=size.tiny)
plotshape(isLowerTail, title="下ヒゲテール", location=location.belowbar, color=color.green, style=shape.triangleup, size=size.tiny)
// ---------------------------
// OB(オーダーブロック)判定
// ---------------------------
obBodyThreshold = input.float(0.3, "OB実体最大サイズ比率")
obRange = high - low
isOB = body < obRange * obBodyThreshold and volume > volMA * volMultiplier
plot(isOB ? volume : na, style=plot.style_columns, color=color.orange, title="OB")
// ---------------------------
// クライマックス判定
// ---------------------------
// 修正:グローバル変数にSMAを格納
bodySMA = ta.sma(body, 20)
isClimax = volume > volMA * volMultiplier * 2 and body > bodySMA * climaxBodyRatio
plotshape(isClimax, title="クライマックス", location=location.abovebar, color=color.purple, style=shape.diamond, size=size.small)
💡 コードや戦略はあくまで学習用のサンプルです。
実際の利益や成果を保証するものではありません。
必ず
バックテスト
などで検証の上、ご自身の判断・責任で戦略に取り組んでください。
👉️ バックテストで戦略評価・戦略設計
🧩 出来高分析のまとめ| OB・テール・クライマックスの総合活用
- 出来高は相場の勢いを可視化する最も簡単な方法
- OB・テール・クライマックスを組み合わせると、転換点や押し目・戻り目の判断精度が上がる
- TradingView で簡単に実践可能なので、チャートに慣れたらすぐに応用できる
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