相場の勢い視覚的に捉えるボリンジャーバンド

相場が広がるのか、収束するのか――。
そんな「勢いの限界点」を視覚的に教えてくれるのが、 ボリンジャーバンド (Bollinger Bands)です。
シンプルな 移動平均線 に“統計”という概念を加えることで、「価格が行き過ぎているのか、それともまだ伸びるのか」を判断できるのが大きな特徴。
RSI が“過熱感”を数値で示すなら、 ボリンジャーバンド は“相場の呼吸”を形で見せるツールです。
💡 ボリンジャーバンド は「静から動への転換」を察知するセンサー。
バンドが縮んだあとに拡大する瞬間――そこにトレンドの始まりが隠れています。
👥 この記事は誰向け?
- レンジ相場での反発ポイントを狙いたい人
- 「買われすぎ・売られすぎ」を視覚的に判断したい人
- トレンドとボラティリティ(値動きの幅)を両方見たい人
📖 この記事でわかること
- ボリンジャーバンドの構造と計算の仕組み
- ±1σ・±2σの意味と見方
- 相場の「広がり」と「収縮」の読み取り方
- トレンド発生前のサインを見抜くコツ
🧩 ボリンジャーバンドとは?

ボリンジャーバンド (Bollinger Bands)は、**価格のばらつき(ボラティリティ)**を可視化した インジケーター です。
移動平均線 (MA)を中心に、そこから上下に統計的な“範囲”を描くことで、相場がどれくらい広がっているかを判断します。
⚙️ 基本構成
ボリンジャーバンド は、次の3本の線で構成されます:
ライン | 意味 |
|---|---|
ミドルバンド(中央線) | 基準となる 移動平均線 |
+σ(上バンド) | 平均より上側の価格範囲 |
−σ(下バンド) | 平均より下側の価格範囲 |
バンド幅は、価格の 標準偏差 (σ:シグマ)を基に計算されます。
🔧 おすすめ設定例
TradingView の標準設定は以下の通りです:
- 期間:20
- 標準偏差:2
この「20期間・2σ」は最も一般的な組み合わせで、約95%の価格がこの範囲内に収まるとされます。
この統計的な裏付けが、逆張り判断の根拠になっています。
💡 設定を変えるとどうなる?
設定変更 | 効果 |
|---|---|
期間を短く | 感度が上がるが、ノイズも増える |
期間を長く | 安定するが反応が遅れる |
標準偏差 を小さく | バンドが狭まり、ブレイク頻度が増える |
標準偏差 を大きく | バンドが広がり、強いトレンドを掴みやすい |
つまり、「反応の速さと精度のトレードオフ」。
✅️この表に示した設定値はあくまで一般的な目安であり、実際には自分のトレードスタイルや時間軸に合わせて、 バックテスト を行い最適な値を見つけるのが現実的です。
バックテスト についてはこちらで詳しく紹介しています。
🔍 ボリンジャーバンドのサインの見方

状況 | 解釈 |
|---|---|
価格が−2σ付近で反発 | 売られすぎ → 買いサイン |
価格が+2σ付近で反落 | 買われすぎ → 売りサイン |
バンドが拡大(エクスパンション) | 強いトレンド発生のサイン |
バンドが収縮(スクイーズ) | 方向転換やブレイク前兆のサイン |
💡 特に、スクイーズ → エクスパンションの流れはトレンド転換の代表的なパターンです。
📈 フィボナッチ比率との関係(補足)
一部のトレーダーは、** フィボナッチ比率 (1.618など)**を応用して 標準偏差 や期間を調整します。
フィボナッチ比率 は自然界や株価のリズムにも見られる“黄金比”で、
「価格の伸びや反発が落ち着きやすい比率」として知られています。
たとえば、期間を13・21に設定するなど、黄金比ベースの設定は統計的にも安定しやすい傾向があります。
🧠 他指標との組み合わせ方

ボリンジャーバンド 単体でも機能しますが、他の指標と組み合わせると精度が高まります。
組み合わせ | 狙い |
|---|---|
RSI | バンドタッチ時の過熱感を確認 |
MACD | バンドブレイク後の方向性判断 |
移動平均線 (MA) | ミドルバンドの傾きでトレンド判断 |
✅️ 特に「 RSI × ボリンジャー」は逆張り戦略の定番ペアです。
実践編:Pine Scriptでカスタムストラテジーを作成して活用・発展

プリセットの インジケーター にも「ボリンジャー(BB)」はありますが、カスタムストラテジーとして自作すると、より実践的な戦略設計が可能です。
TradingViewで使えるボリンジャー例
//@version=6
strategy("Bollinger Bands Sample", overlay=true)
basis = ta.sma(close, 20)
dev = 2 * ta.stdev(close, 20)
upper = basis + dev
lower = basis - dev
plot(basis, color=color.orange, title="Basis")
plot(upper, color=color.new(color.blue, 0), title="+2σ")
plot(lower, color=color.new(color.blue, 0), title="-2σ")- 他の指標と組み合わせて実装 → ダマシの少ないエントリーや利確のタイミングを自由に調整
- 詳しくはこちら
- バックテストで戦略評価 → 過去相場で精度や損益を検証
- 詳しくはこちら
- 通知機能を組み合わせる → 自動でアラート・発注まで可能
- 詳しくはこちら
💬 まとめ:ボリンジャーバンドは“静と動の境界”を見抜くツール

- ボリンジャーバンドは「相場の広がり」と「反転のタイミング」を見極める強力な指標
- ±2σは“統計的に行き過ぎ”のサイン
- 設定は反応速度と信頼性のバランスで調整
- RSIやMACDとの併用で精度アップ