シストレで勝てない“原因”は概ね3つです。

「
システムトレード
を始めたのに勝てない」「
バックテスト
では良かったのに、実運用で増えない」
こんな悩みを抱える人は多いです。
あなたは今、こんな状況ではないでしょうか?
- バックテストは+300%なのに実運用でマイナス
- 勝率65%超えた!→ 3ヶ月後に資金半分になる
- 「このロジックは聖杯だ!」と思ったのに全然増えない
- 10万円で買ったEAやストラテジーを信じて資金突っ込んで大ヤケド
しかし実は、“勝てない理由”はほとんどが
優位性・
バックテスト
の再現性・リスク管理の3つに集約されます。
この3つを理解すると、どんなロジックを使っても “なぜ勝てないか” を自分で判断できるようになります。
戦略の優位性があるか?

最初に確認するべきは、その戦略が統計的に勝てる根拠(優位性)を持っているかどうか。
優位性を見るための主な指標:
- 勝率(高ければ良いわけではない)
- PF(プロフィットファクター)
- リスクリワード比(RR)
- 最大ドローダウン(DD)
- 期待値(Expectancy)
“なんとなく良さそう”で始めても、長期では絶対に安定しません。
数字で優位性を見抜けるかどうかがすべてです。
✅️ 勝率70%,RRが0.4の例
この場合
期待値
-0.02でマイナスになります。
つまり、短期的には勝てても長期で資金は減る設計です。
戦略の性質を把握する為に、各指標を理解・確認する必要があります。
詳しくは下記の記事で説明しています。
👉️ 勝率・PF・ペイオフレシオ・期待値・最大ドローダウンで戦略を正しく評価
バックテストの精度は適切か?

バックテスト の数字はスタート地点にすぎません。重要なのは「その数字に再現性があるか」を確認する必要があります。
成績が良くても、以下を見落としているケースの場合は注意が必要です。
カーブフィッティング(過剰最適化)と統計的根拠の不足
過去の チャート に合わせただけの“危ない戦略”の可能性があります。
- サンプル数が少ない
- 特定の期間だけ良い(これも危険)
✅️「過去 チャート にピッタリ合う魔法の戦略(いわゆる聖杯)」は存在しません。 手法の条件を必要以上に複雑化し、過去 チャート に合わせすぎると、過剰最適化(カーブフィッティング) が起こります。
詳しくは下記の記事で説明しています。
👉️ カーブフィッティングの罠|過剰最適化を避ける戦略検証の視点
実運用コストの無視
手数料・ スリッページ ・取引制約を入れた途端に成績が崩れる。
✅️ 手数料0、 スリッページ 0で バックテスト して「年利50%!」
→ 実際は手数料+ スリッページ でマイナスに暴落。
詳しくは下記の記事で説明しています。
👉️ バックテストの限界|スリッページ・取引コスト・約定ズレ・流動性を解説
リスク管理が甘くないか?

戦略や指標がどれだけ良くても、 ロット 管理とリスク設定が間違っていると簡単に破綻します。
よくある失敗例:
- 勝率40%×RR2.0の戦略なのに、資金を大きく張る
- → 数回の連敗で資金激減
- → ルール逸脱 → 破綻
- PF1.1〜1.3の戦略で高ロット
- → ちょっとブレただけで資金が大きく減る
正しいリスク管理は、戦略の指標(PF・ 勝率 ・DD)に応じて設計する必要があります。
→ じゃあ具体的にどうやってロットを決めるのか?
実は
ケリー基準
とバルサラの
破産確率
表を使うと、 「この戦略なら1トレード何%が理論的に最適か」 「
破産確率
を0.1%以下に抑える
ロット
はいくらか」が計算できます。
詳しくは下記の記事で説明しています。
👉️ 破綻しないためのリスク管理とロット設計|ケリー基準・バルサラ活用
ドローダウン(DD)と運用者自身のメンタル管理

基本的にはこの3つを正しく理解して設計できていれば、長期的に勝てる可能性は一気に高まります。
しかし、多くの人が最後にぶつかる壁があります。
それが 「 ドローダウン (DD)と運用者自身のメンタル管理」 です。
どれだけ理論的に完璧な戦略でも、
- DDが想定より深くなる
- 連敗が続く
- 資産曲線が横ばいの期間が長い
こういった局面で ルール逸脱が起きると、すべてが崩れます。
忍耐の期間は必ず発生する
ざっくり言うと、どうしても “ガマンの期間” が発生します。
そしてこの期間に訪れる 疑心暗鬼・不安・焦り に耐えながら、それでも ルールを崩さず淡々と売買を執行し続ける のは、正直かなりしんどいです。
例えば──
直感的には「下がりそう」と感じる。
でもシステムは「ここが
エントリー
ポイント」と示す。
ルール通りに
エントリー
すると、途端に下がる。
そして、これが 1ヶ月以上繰り返す。
こういったことすら実際に起こりえます。
それでも、ルール通りに執行し続けなければいけません。
最後に残るのは“メンタルの壁”
この“ガマン期間”は机上の勉強では埋まりません。
運用者自身が経験を積むことで、徐々に慣れていくしかない領域です。
言い換えると、勝てる戦略を持っているのに勝てない人の“最後の敗因”は、
戦略そのものではなく、システムを信じ切れないメンタルに起因する。
メンタルへの備えは下記でも詳しく紹介しています。
👉️ 損失に耐える力|システムトレード運用者のメンタルと実践マインド
まとめ:勝てない理由は「理解不足」に起因する戦略設計の脆さとメンタルが原因の可能性が高いです。

多くの人が勝てないのは、戦略が悪いのではなく
- 優位性
- バックテスト
- リスク管理
この3つの理解が浅い可能性が高いです。
さらに、長期で運用する上では メンタル管理の難しさ も勝敗を左右します。
どれだけ理論的に完璧な戦略でも、連敗やDDの期間に耐え切れずルールを逸脱すると全てが崩れるのが システムトレード の現実です。
逆にこの3つを押さえ、かつ ガマンの期間を耐え抜くメンタル を持てば:
- どんなロジックが危険か
- どんなバックテストが信用できるか
- どんな戦略が長期で残るか
が自然と理解できるようになります。
下記の記事の順番に沿って進めれば、
「精度の高い バックテスト → 実運用に耐えうるロジック評価」 までスムーズに理解できます。
あなたの状況に応じて、必要な情報を選びながら活用してください。